優れたサーモス・・・その秘密


THERMOS 100th Anniversaryより
■熱を逃がさない秘密は超高真空の壁

 サーモス魔法びんはステンレスの二重構造の容器になっており、外びんと内びんとの間は100万分の1気圧という超高真空状態になっている。この真空状態は宇宙空間と同じで、何もないために対流による放熱を防ぐことができる。また、内びんは鏡のように仕上げられており、輻射により熱が逃げようとしても反射して戻されてしまう。この真空の”壁”こそがサーモスの高保温・高保冷性能の秘密だ。
二重構造のステンレスボトル

外びんと内びんの肉厚および間の空間は可能な限り薄くされている。これにより伝導による放熱を最小限にし、外形を小さく抑え、かつ容量を大きく確保することが可能になる
■独自の特殊製法と品質管理で作られるサーモス

 まず初めに、高度な金属プレス加工によって二重構造の魔法びんの容器が作られる。
次に行なわれるのが真空熱処理。大型のタンク状の真空チャンバーの中に容器を入れ、100万分の1気圧という高真空状態を作り出す。容器の外びんの底面には小さな穴が開けられているので、このときに外びんと内びんの間の空間も真空になる。この後、真空チャンバーの中での加熱処理により外びんの穴は密封される。しかも容器表面に付着した不純物も除去されクリーンな状態になる。この真空チャンバーを使った製造法が、他社の追随を許さないサーモス独自の技術なのだ。
 できあがった魔法びんの容器はそのまま2~3週間保管される。これはエージングと呼ばれる工程で、容器の製造後初期に発生しやすい微細なクラックによる真空不良を発見するために必要な期間だ。この後、保温性能が全数検査される。この厳格な品質管理によってサーモスの高い品質が保たれ、世界中で信頼されているのだ。保温性能検査の後は塗装、研磨、印刷などの工程を経て組み立てられ、さらに品質検査を行なってから、サーモス製品として出荷される。
巨大な真空チャンバーの中で自動的に真空熱処理が行なわれる